執事とお嬢様 [ | |
「晃彦さん、お金、もうなくなっちゃったの。」 「うん??この間、渡したばかりだろ??」 「でも。。。もうないんだもん。」 「いったい何に使ったんだ??」 「う〜ん、よくわからない。。。」 オレはその言葉を聞いて、 「はぁ。。。」 溜息が出た。 よくわからないうちに、お金に羽が生えて飛んでいくとでも言うのか。。。 その後、心配になって彼女に渡してあるカードの残高を調べてみたが、 すでにマイナス。 前途多難だ。。。 執事とお嬢様 [ 希望通り外務省に入省して、無事研修期間を終え、昨年の秋、紗雪と結婚した。 とにかく、彼女は生粋のお嬢様で、「逆玉の輿」だとか「格差婚」だとか、 良くも悪くも回りから色々言われたが、自分としてはそれほど気にしてはいなかった。 ところが、あのお城のような瀟洒なお屋敷を出で、二人の生活がはじまった途端、 現実を思い知らされることに。 お屋敷で、藤崎さんや佳代さんがやってくれていた身の周りのことから 家計のやり繰り、家事に至るまで、これからは二人でやらなければならない。 オレはいい、今まで一人暮らししてきたから。 でも、お姫さまの紗雪は。。。 そして、早速問題は起きた。 金銭感覚の相違。。。 こちらとしては、一か月分の生活費のつもりで渡した現金が一週間でなくなった。 しかも、渡してあったカードもすっからかん。 問いだたしてみても、 「う〜ん、よくわからない。。。いつもと同じにしてるのに変ねぇ。」 何の屈託もなく、不思議そうな顔をして言う紗雪を怒ることもできず、 今まで、お金のことなんて何も気にしなくていい生活をしてたんだ。 急に、決まった金額でやり繰りするのは無理か。。 少しずつ慣れればいい。。。そう思ったのがそもそも間違いだった。 大体、その「いつもと同じ」がNGなんだ。 それからも、同じことを繰り返し、その度にお金の使い方について、 よく言って聞かせ、一緒に買い物にも行って丁寧におしえた。 歯止めに、今度遣いすぎたら「お仕置きだな」。。。 少しばかり脅かすことも忘れなかった。 その甲斐あってか、しばらくお金がなくなった話はしなくなった。 やっと、慣れてきたかと思っていたが、それにしてもどうもおかしい。 前回現金を渡してから、すでに一か月が経過している。 本人に聞いても、 まだあるから大丈夫。 の一点張り。 さては。。。不審に思って、口座を調べたら、やっぱり。。。 思った通り、大金が振り込まれていた。 しかも100万単位で。 道理でなくならないワケだ。 誰が振り込んだかはすぐに察しがついた。 藤崎さんなら、例え、紗雪に懇願されてもこんなことはしない。 紗雪もそれをわかっているから、敢えて藤崎さんに頼むことはせず、 水早氏に泣きついたのだろう。 まったく。。。 かわいそうだが、久しぶりにお仕置きだな。 その日、仕事から帰宅すると、夕食の前に紗雪を呼びつけた。 「お話ってなあに。今、忙しいの。。。」 「いいから座りなさい。」 ちょっと不服そうに、眉を寄せる彼女を無視して、 「紗雪、オレに隠してることないか??」 「ないけど。。。どうして。」 「本当に隠してることはないんだな。」 意地悪だと思ったが、念を押した後、通帳を提示する。 すると紗雪の顔色が変わった。 「大金が振り込まれてるけど、これはなに??」 「こ、これは。。。」 「説明してもらおうか。」 「し、知らないもん。。。」 「ふ〜ん、知らないんだ。だったら振込主の水早氏に聞いてみるしかないな。」 「えっ、ダメ。。。」 紗雪は急に落ち着きがなくなり、視点が定まらず瞳が泳いでいる。 いつもの如く、わかりやすい。 「知らないんだったら聞いてみるしかないだろう。それとも聞いて欲しくないワケでも あるのか??」 「。。。」 「いい加減、正直に言ったらどうだ。。うん??」 「あのね、えっと。。。パパにお願いしてお金、振り込んでもらいました。。。」 バツが悪いのか、俯き加減でボソボソっと小さな声で言う。 わかっていたこととは言え、大きな溜息が出た。 「はぁ。。。どうして黙ってこんなことするんだ??」 「。。。」 「二人で頑張ろうって約束したはずだよ。」 「ごめんなさい。。。」 珍しく、紗雪の口から早々とごめんなさいが出た。 少しは大人になったか。 「謝るってことは、悪い事をしたって自覚があるんだ。だったら話は早い。 約束守れない子はどうされるか言いなさい。」 「。。。」 「どうした、言えないのか??」 「言いたくない。。。だって、言ったらお膝に載せられるでしょう??」 「質問してるのはオレだ。ちゃんと答えなさい!!」 少し強い口調で言ったら、ビクッと肩を震わせたが、それでも、口をへの字に結んで 黙ったまま。 「よ〜くわかった。言えないなら、言えるようにしてやらないとな。」 言ったあと、スッと立ち上がり、逃げようとする紗雪の左手首を掴んだ。 そのまま、嫌がるのを力ずくで横抱きにし、ソファに左足を掛けるとその上に紗雪の 華奢な身体を載せた。 |
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服の上から数回叩いたあと、スカートを捲り上げシルクの下着を下げる。 「いやーん、下ろして、下ろしてぇーー!!」 足をバタバタして暴れるのを無視して、お尻に振り上げた右手を振り下ろす。 パッシィィィーーン!! パッシィィィーーン!! パッシィィィーーン!! 紗雪の白いお尻は、たちまち手形が浮き上がるように赤く染まってゆく。 パッシィィィーーン!! パッシィィィーーン!! パッシィィィーーン!! 「うわ〜ん、いたぁぁぁーーい!!イヤーーー!!」 「イヤじゃないだろう。他に言うことは??」 「さっき、言ったもぉーん。」 どうやら、膝に載せる前に言った、ごめんなさいのことを言っているらしい。 「そんな言葉が出るのは、まだまだ反省してないってことだな。」 「あ〜ん、そうじゃない。。。」 言い訳する紗雪のお尻を、更に力を込めて叩く。 バッシィィィィィーーン!!! バッシィィィィィーーン!!! バッシィィィィィーーン!!! バッシィィィィィーーン!!! バッシィィィィィーーン!!! バッシィィィィィーーン!!! バッシィィィィィーーン!!! バッシィィィィィーーン!!! 「うわ〜ん!!ごめんなさぁぁぁーーい!!もうしないからぁぁぁ。。。」 「本当にもうこんなことしないか??今度こそ約束できるな??」 念を押す。 グスグス言いながら、首を縦に振る紗雪を膝から抱き起し、ソファに座らせ 自分も隣に座った。 「もう一度聞くよ。もう水早氏に頼らないって約束できるね??」 今度は優しく、涙で濡れた目を見て確認する。 紗雪は照れくさそうに、 「はい、約束します。」 きとんと返事をしてくれた。 そのまま細い肩に手を回し抱き寄せる。 「正直、お金を出してもらってたって知ったとき、情けない気持ちで いっぱいだったよ。紗雪を幸せにはできないのかってね。」 「ごめんなさい。。。頑張ろうって約束したのに、お金ない。。。って、 晃彦さんに言えなかったの。。。ごめんなさい。。。」 「実はね、水早氏に少しだけ嫉妬した。」 「どういうこと??」 「いざとなったら、紗雪はオレより父親を頼るんだって思ってさ。 いや、父親なんだから当たり前なんだろうけど、一生、水早氏には 敵わないって思い知らされた気がして、ちょっと妬けた。」 紗雪は両手をオレの首に回して、抱き付いてくる。 甘い髪の香りが優しく心を癒していく。 「パパはパパ、晃彦さんは晃彦さん。二人とも大好きよ。」 「そうだな。」 「それよりね、黙ってたことがまだあるの。。。」 「うん、なに??」 「う〜ん、やっぱり言うのやめようかな。。。」 「なんだ、もったいつけて。はっきり言いなさい。」 「でも、言ったら怒るもん。。。」 「怒られるようなことなのか。」 しばらくもじもじしていたが、内緒ばなしするように耳元に唇を寄せると、 くすぐったいような声でささやく。 「あのね、パパにお願いする前に、藤崎さんにもお金だしてもらったの。」 「。。。!?」 オレは耳を疑った。 まさか、藤崎さんにまで無心してたとは。。。 「なんで、そんな大事なこと黙ってたんだ??」 声が自然と大きくなる。 「ほら、怒る。。。だから言いたくなかったのに。。。」 「こらっ、なんだその言いぐさは。まだまだ反省が足りないってことだな。」 そのまま膝に倒し、赤く腫れたお尻にもう一度キツーイお仕置きのやり直し。 散々叩かれて、暴れ泣きつかれた紗雪に、安易に久世家を頼らないこと、 隠し事はしないことを約束させ膝から下ろしてやる。 「まったく、今度やったらケインだな。」 「イヤよ。晃彦さん、なんだか藤崎さんみたい。。。」 「あはは、藤崎さんほど厳しくないよ。」 「そんなことない、せっかくお尻ぺんから卒業できたと思ってたのに、 藤崎さんのミニチュア版がいるみたい。」 「紗雪がいい子にしてたらこんなことはしないよ。それとも、お尻が腫れあがるほど、 厳しくされたいのか??」 「イジワル。。。」 恨めしそうに唇を尖らせ、上目使いで見る。 涙でうるんだ瞳がキラキラ輝いて、余計に可愛く見える。 それ、思いっきりハンソクだろ。。。 「それにしても、藤崎さんがよくお金出してくれたね。」 「お願いよ。。。って頼んだらすぐに出してくれたわ。」 あの藤崎さんが、呆気なく紗雪の言うことを聞くとは。。。 少なからず驚いた。 みんな紗雪には甘いんだから。 「久世家のような生活は逆立ちしたって無理だけど、オレはオレの道を行く。 二人で頑張って行こう。君はもう東城紗雪なんだから。いいね。」 「はい。」 キチンと返事はしているけれど、本当に大丈夫か。。。 どうも危なっかしい。 頼むからしっかりしてくれよ。 オレのために。。。 そして、紗雪自身のために。。。 やんちゃな新米マダムさん♪ Nina拝 |